「内向的」「1人で静かに過ごしている」というイメージの強いHSPさん。
あまり怒らないだろう、なんてイメージをもたれがちです。
それゆえ、HSPの方が怒りを表現した時には、周りの人はとてもびっくりします。
「そうか、今まで我慢してたんだね。これからは気を付けるね。」
と、気持ちを分かってもらえればよいのですが、
「いきなりキレるとは思わなかった」
なんて心外な表現をされることも。。
普段から怒ってる方はびっくりされないのに、ちょっぴり不公平にかんじますよね。
実は、特有の理由があるんです
しかし。
HSPさんの怒りにはHSP特有の理由があるのです。
ここを理解しておくと、HSPさん本人は、怒りを感じる頻度がぐっと減る事でしょう。
また、身近な同僚、友人、パートナーがHSP、という方もHSPさんの怒りの頻度を減らすことが出来、お互いに心地よく過ごす事ができるしょう。
今回はその理由を3つをお伝えします。
より穏やかな生活を手に入れる為、参考にしてみて下さいね。
理由1:繊細ゆえに他の人より細かい事に気が付く
日本語で「とても繊細な人」と訳されるくらい、繊細なHSPさん。
友人が髪形を変えたのに気づいたり、四季の変化をいち早く感じ取ったり、楽しい変化にも敏感ですが、そうでないものにも大変よく気が付きます。
書類の位置が微妙に変わっている、テーブルの上に置かれた物が端っこすれすれで危なっかしい、部屋の隅にほこりが落ちている・・・等々。
他の方が気にならない細かいことまで気が付くのですが、その数も他の方よりかなり多く気づいている、というのがポイントです。
同じ1日を過ごしていても、沢山のイラっとすることに気付いていては、怒りは積み重なります。
内向的だからこそ溜まる不満
そもそも内向的な方が多いので、すぐに口うるさく注意することはありませんが、それ故に不満が胸の内に溜まりこんでしまい、最終的に怒りとなって爆発してしまいます。
HSPさん本人はどう対処したらいいの?
HSPさん本人は、イライラはなるべくこまめに解消することをお勧めします。
こまめに解消することにより、不満がたまりすぎて突然爆発してしまう、という事態(人間関係のトラブルになりやすいので、出来れば避けたい事態ですね)を未然に防ぐことができます。
なにより、「イライラを解消しておく」という習慣を身につける過程で、自分に向いているイライラの解消法や、自分がどのような時やどのような物事にイライラしやすいか、という事を把握しやすくなる、という嬉しいおまけもついてきます。
結果として、毎日がグンと過ごしやすくなりますよ。
イライラの原因・対処法・効果を記録しておくと尚よいですね。
辛い事だけ書いていてもしんどいですが、嬉しい事(どんな時にどんなことが嬉しいか)も記録しておくと、効果がアップしますよ。
では、周りの人はどうすればいいの?
周りの方は、HSPさんに気づいた事を素直に伝えてくれるよう、お願いしておくとよいですね。
(指摘されたことに対しても、「教えてくれてありがとう」くらいの気持ちでいると腹も立ちません。)
そんな細かいことで・・・と思う事もあるかもしれませんが、職場などではミスが減る事につながるかもしれません。なにより、人間関係もスムーズに運ぶでしょう。
理由2:普段から雑務などを押し付けられやすくて不満が溜まっている
口数控えめでおとなしいHSPさん。
残念ながら、物事を頼む相手としてはターゲットにされやすいです。
また、家庭、地域、PTA、職場などでは、「これやってくれない?」と頼まれると、相手は軽い気持ちで頼んでいても、「断わって嫌な顔をされたらどうしよう」と、嫌でも引き受けてしまう事が多々あります。
そして、責任感が強いゆえに真剣に取り組みます。
嫌な仕事、苦手な仕事をたくさん抱えていると、不満もたまります。
結果、我慢の限界を迎えた時に怒りとして表現されることになります。
怒りの引き金が小さな事だった場合、その裏にあるたくさんの「我慢」については周りの方(時には本人も)は気づいていないので、
「何故急に怒り出したんだろう?」
と、首をひねる事になります。
HSPさん本人に出来る対策は?
対策としては、HSPさん本人はちょっとでも嫌だなと感じたり、違和感を感じたことは勇気をもって断ることです。相手に嫌な顔をされたらどうしよう!と心配になるかもしれませんが、頼みを断られる事と、相手を嫌いになる事は別の事です。断ったからと言って嫌われるわけではありません。
それに、「どうしてもあなたにやってほしい」という仕事でなければ、また他の人に頼んでもらうなり、自分でやるなりすればいいのです。
断わった後の事を決めるのは相手の問題、という事を覚えておきましょう。
周りの人に出来る対処方法は?
周囲の方は、HSPさんに何かを頼むときは現在、仕事を抱えすぎてないかをあらかじめ尋ねてみたり、嫌なら断ってもいいよ、という事を伝えるとよいでしょう。又、「あの人は割となんでも引き受けてくれる」と相手をあてにしている部分がないか、今一度考えてみて下さいね。笑顔に見えて、本人はいっぱいいっぱいかもしれませんよ。
理由3:実は普段から疲れている
疲労がたまっている時、ストレスが溜まっている時、怒りっぽくなってしまう事はありませんか?人間誰しも、元気な時は平気な事でも、疲れていると不満に感じたり、イラッとしたりするものです。
その点でいうと、日頃音や光に敏感だったり、他人の感情も敏感に感じ取ってしまうHSPさんは、毎日非常に疲れを溜めています。
それでも、まじめで優しい方が多いので、ついつい自分を追い込んで限界まで頑張ってしまいます。
その頑張りゆえに、更に疲れを溜めてしまう。そんな悪循環に入っている方もいらっしゃいます。
つまり、他の方よりも怒りを感じやすい状態にいる、と言っても過言でありません。
HSPさん本人は日常的に休む時間を確保すること
HSPさん本人の対応策としては、日常的に1人でのんびり休む時間を確保することがおススメです。
ストレス発散を発散しましょう、といっても、騒いだり大勢で集まったりすることは苦手な方も多いはず。
1人静かに、好きなお茶を飲む、好きな香りのアロマを炊く(最近はお香もありますね。)湯船にゆっくりつかる、ただひたすらボーっとする、ペットと戯れる、等々、ゆったりする時間を作って下さい。
出来れば、少しの時間でもいいので、毎日こういった”リラックスタイム”を確保しておいてください。
周りの人はどうしたら良いの?
HSPさんの周りの方は、疲れた時には「疲れた」と安心して伝えられる環境を用意してあげるとよいでしょう。
何も特別な事をする必要はありません。(HSPさんを気遣ってばかりで、自分が疲れてしまっては元も子もありません。)
疲れたら伝えてほしい、と話をしておくこと。伝えてもらったら「それぐらいで疲れるなんて」という否定はせず、疲れたことを認めてあげる事。可能であれば休憩を促す事。それで充分です。
文字にすると大変そうに見えますが、普段の人間関係でも心がけていると自然と身に付き、お互いの関係がとても楽になります。少しずつでいいので、意識して取り組んでみて下さいね。
もちろん、ご自身が疲れたときも”遠慮なく伝える⇒休む”を忘れずに。
まとめ
HSPさんの怒りの特有の理由とその対処法をお伝えしました。
理由1:繊細ゆえに他の人より細かい事に気が付く
・HSPさん本人の対処法⇒イライラはなるべくこまめに解消する(出来れば記録を取る)
・周りの方の対処法⇒HSPさんに気づいた事を素直に伝えてくれるよう、お願いしておく
理由2:普段から雑務などを押し付けられやすくて不満が溜まっている
・HSPさん本人の対処法⇒嫌な事や、違和感を感じた事は勇気をもって断る
・周りの方の対処法⇒HSPさんが仕事を抱えすぎていないかあらかじめ尋ねる
普段からあてにし過ぎていないか、再考する
理由3:実は普段から疲れている
・HSPさん本人の対処法⇒1人でゆっくりする時間を確保しておく
・周りの方の対処法⇒疲れた時に、「疲れた」と安心して伝えられる環境を用意する
の3つでしたね。
頭の片隅に置いておいて、少しでも毎日を穏やかに過ごす助けとなれば幸いです。
もちろん、いっぺんに全部実行するのは大変なことです。
少しでも対策方が出来たら、自分をいっぱい褒めてあげて下さいね。
また、怒ってしまったり、怒られてしまっても、決してご自身を責めないで下さい。
人間ですから、怒ったり、怒られたりは当然のやり取りです。
そこでコミュニケーションを断絶せずに、お互いになんとか模索しながら関係性を保っていくのが、最も大切な事だと思いますよ。
そうはいっても、それが難しい。
少しの事で相手との関係性に悩んでしまう。
そんな方は、どうぞお気軽にご相談下さい。
人間関係が楽になると、人生そのものが楽になりますよ。