~辛い時も、自分への適切な声掛けで安心の土台を作ろう~
アダルトチルドレンや大人の愛着障害るに悩む方々には、頑張り屋さんが多いです。
辛く、悲しい気持ちになった時も、自分の苦しさに蓋をして、更に頑張りを重ねてしまいます。
そんな時、無意識に自分に言い聞かせてしまう共通の声掛けがあります。
よかれと思っているその声かけ、実は症状の悪化を招き、辛さからより抜け出せなくなってしまいます。
今回はその自分に対してのNG声掛け3選をお届けします。
適切な声掛けも同時にお伝えしますので、NGワードを言いそうになったら、どうぞそちらに変えてみて下さい。今までの苦しさがぐっと楽になり、生きやすい毎日が待っていますよ。
NGワード1:大丈夫
自分でも落ち込まない程度の些細なミスをした時などは、「ま、大丈夫」という一言で流してしまっても構いません。
しかし、自分の存在に自身がもてない時、辛すぎて涙も出ない時、「大丈夫」という言葉は逆効果です。
本当に辛い時に「大丈夫」と言われて平気ですか?
ちょっと想像して頂きたいのですが、高熱が出て、節々も痛い。頭は割れそうだし立っているのがやっと。
周りのためにも頑張りたいけど、今にも倒れそうなくらいフラフラ・・・。
そんな時、家族やパートナー、友人に「それ位大丈夫じゃない?」と言われたら、どんな気持ちでしょう?
「この辛さは、分ってもらえないのかな・・・」
「本当は大丈夫じゃないんだけどな・・・」
こんな風に悲しく、不安な気持ちになると思います。
自分自身に言い聞かせる言葉も同じことです。
あなたの心の深い部分(潜在意識・無意識と呼ばれる部分です)は、
「大丈夫でないぐらい辛い自分は、自分自身にすら認めてもらえない」
「”大丈夫”でない自分は、価値がない」
そんな風に感じて、深く傷ついてしまいます。
では、なんと声をかければいいの?
自分自身に対してまで無理をして「大丈夫」なんて言い聞かせる必要はありません。
寧ろ逆効果です。
本当に辛いときは、
「辛いね。」
「自分自身に価値がないって思ってしまうんだね。」
と自分の気持ちそのものを認めてあげる声をかけてあげて下さい。
よく「自分を大事に」などという言葉を聞きますが、「自分を大事にする」というのは、ネガティブな気持ちも認めてこそなのです。忘れないでくださいね。
応用編となりますが、これは、他人に対しても同じことです。
「あなたに価値がない訳ないよ!」というのも場合によってはありかもしれませんが、
「自分自身に価値がないって思ってしまうんだね。」と相手の気持ちを認めた上で、「私はそうは思わないよ」とご自身の気持ちを伝えるのがベストですよ。
NGワード2:他にもっと大変な人がいる
頑張りすぎは自分自身の心を傷つける
アダルトチルドレンの方や、大人の愛着障害の方からとてもよく聞く言葉です。
どんなに辛い状況でも、1人では抱えきれない仕事を抱えていても「他にもっと大変な人がいるから、これくらいで弱音を吐いてはいけない」と更に頑張り続けてしまいます。
しかし。
他の人に視点を移した段階で、自分の苦しさを無視してしまっていることに気付いて頂きたいのです。
あなたの限界、あなたの辛さは、あなた本人にしか分かりません。
どうか、自分の心に蓋をしないで頂きたいのです。
先程の項目であなたの心の深い部分(潜在意識・無意識)について触れましたが、辛い・苦しい・悲しいという感情は、この心の深い部分からのSOS信号です。このSOSを無視してしまうと、心は傷つきます。
しかも、アダルトチルドレン、大人の愛着障害の方がこのように頑張りすぎで心を傷つけているのは1回や2回ではないはずです。長年にわたり、継続的に何十回(もしくは何百回・何千回)と傷を受けた心は回復までに時間がかかります。
「回復した方がいいよね」と気づけばよい方です。そのまま放っておくと身体症状が出たり、うつになったりすることも稀ではありません。
周りに迷惑をかけたくない、という想いの方が多いのでしょうが、(私個人としては迷惑をかけるのはお互い様なので構わないと思いますが)、あなたが倒れてしまってはそれこそ周りの仕事や心配が増えてしまいます。
自分の限界は自分で見極める
まずは、自分の限界は自分で見極めて、適宜休むことが大切です。
(仕事量などの物理的に分かるものだけでなく、心の限界も、です。)
「他の人にももっと頑張ってる人がいる」と思ってしまうときは、まずは他人と自分の区別をつけることをお勧めします。
(そもそも、頑張りの効く分野は人によって違うのです。頑張っているように見えても、当人は力の半分さえ出さずに仕事をこなしている時もありまし、同じ人が精一杯頑張っても別の分野ではびっくりするほど成果がでない、というのはよくある話です。)
他人の頑張りはそれはそれとして認めたうえで、
「私は私なりによく頑張っているよね」
「私はこの段階で疲れてしまったから、まずは一旦休憩を取ろう」
と自分の頑張りを認め、適切なタイミングで休みを取って下さい。効率のためにも、あなたの心のためにも、休みは必要です。
NGワード3:最後までやり遂げないとだめだ
アダルトチルドレンや大人の愛着障害の方には、完璧主義の方が多くいらっしゃいます。
例え目標の99%が達成されていたとしても、1%が足りていないと、その1%を埋めないと「失敗」「不足」と判断してしまうのです。極端に言うと、100%でないなら、99%は0%と同じ、位に考えている方もいます。
何事も「0か100か」ではない事を知る
100%のうち、50%でも物事が進んでいれば、それは「進歩」「進捗」です。
もっと言うと、たとえ0.1%でも、0%よりは「進んだこと」に関して大きな意味があります。
例え0.1%でも、進んだ自分をほめてあげませんか?
たとえそれが、あなたの中で「当たり前」「出来て当然」と思っている事でも、他人から見れば凄い事だったり、調子の悪いときの自分では出来ない事だったりすることもあるはずです。
家事や仕事だけでなく、気持ちを整えるときも同じです。
「常にポジティブにならなければ」
「いつも笑顔でニコニコしていなければ」
そんな頑張りは不要です。
寧ろ、「○○でなければ」という思い込みにとらわれて、心ががんじがらめになってしまいます。
そんな状態は、あなた本来の状態ではありませんよね。
人間なんですから、ネガティブな時も、笑顔でいられない時もあって当然です。
例えば、いつも笑顔で優しい友達がいたとして、時々ふと顔を曇らせたら、悪い気分になるでしょうか?
いつも完璧に仕事をこなしているような人が、たまにミスをしたり、疲れた顔を見せたときはどうでしょう?
心配になったり、
「あぁ、この人もやっぱり人間だったんだ」
と、ちょっとほっとしたりしませんか?
100%や完璧を求める気持ちは否定しませんが、なんでも完璧な人なんていません。
それより、自分に対しても、他人に対しても、少しでも進んだことを認め、褒められる人の方がよほど人間味があり、温かくかんじられるでしょう。
「よくやったね。」
「進んでいるじゃない」
「休むことを決断できるのも素敵な事」
自分の事を、そんな風にほめたり、労わったりする声をかけて下さいね。
まとめ
アダルトチルドレン・大人の愛着障害の方が落ち込んだ時のNG声掛け3選、をお届けしました。
NGワードと言い換えは、
1.大丈夫⇒「辛いね」
「自分自身に価値がないって思ってしまうんだね。」
2.他にもっと大変な人がいる⇒「私は私なりによく頑張っているよね」
「私はこの段階で疲れてしまったから、まずは一旦休憩を取ろう」
3.最後までやり遂げないとだめだ⇒「よくやったね。」
「進んでいるじゃない」
「休むことを決断できるのも素敵な事」
でしたね。
すぐに言い換えが出来なくても大丈夫です。
それこそ、一歩ずつ、少しずつ、です。
1回でも出来たら素晴らしいことですよ。大いに自信を持ってください。
そして、その時すぐに言い換えられなくても、たとえ3日後にでも、思い返すことが出来たら、それも素晴らしいことです。自分をたくさんほめてあげて下さいね。
それでもついつい自分を責めてしまう。
無理ばかりするけど、罪悪感や周りの目が気になったりで休めない。
そんな方は、どうぞお気軽にご相談下さい。
楽な生き方を、一緒に、少しずつ身につけてゆきましょう。