最近、広く認知されるようになったHSP。
「最近自分もHSPだと思うようになったんだけど、子どもの時には特に気にしなかった・・・」
そんな方もいらっしゃるかもしれません。
書店に行けば繊細さんの本がたくさん平積みになっています。
HSPさんに関する本も、目立つところにたくさんありますね。
並んでいる本の帯や表紙を見ているだけでも共感される方は、多いと思います。
でも、昔からこんなこと気になったかな?
HSPになったのって、社会に出てからかも?
そんな思いの方もいらっしゃるでしょう。
大人になってからHSPになるということは、果たしてあるのでしょうか?
生まれつきの気質ですが、後からHSPになったと感じる事もあり得ます
結論から申し上げると、HSPとは「生まれ持っての気質」なので、大人になってから
HSPに「なった」という事は理論上はありえません。
しかし、先ほど書いたように「大人になってからHSPになったと感じる」という方も安心して下さい。
そのように感じる事も、充分にあり得ることで、何も変わったことではありません。
では、何故そのように感じるのか?
理由は大きく2つ考えられます。
①生まれつきHSPだったけど、自覚が出だしたのが大人になってからの場合。
②厳密にはHSPではないけれども、HSPの特性の一部をもっていたり、似たようなストレスを感じている場合。
どちらにしても、辛い事には変わりありません。辛さを感じたり、普段の生活の違和感がストレスになるようでしたら、心身に影響が現れる前に、カウンセリングを受けたり、周りに相談するなど、早めの対応をお勧めします。
では、①、②について、詳しく見てゆきましょう。
具体的には、どういう事なの?
①大人になってから自覚が出た
このケースでは、「大人になってからHSPに『なった』」のではなく、「大人になってからはっきりと『自覚するようになった』」というのが正確なところでしょう。
そもそも、HSPという言葉がアーロン教授によって提唱されたのが1990年の初めですから、それまではHSPのような気質を表す言葉がありませんでした。
そのため、ぼんやりとした「違和感」を抱いていても、表現が出来ないまま、やり過ごしていた、という可能性があります。
90年代の初めまでの間に子ども時代を過ごし、大人からは「感受性が強い」「神経質」などの言葉でひとまとめにされており、自分もそうだと思っていた、というパターンが多く見受けられます。
もう一つ。大きな要因があります。
環境の変化です。
例えば、子ども時代を長閑な田舎で過ごしていたとします。周囲も穏やかな人ばかりに囲まれていたとしたらどうでしょう。物事を深く考えたり、何かに感動したりというプラスの面は大きく発現したかもしれませんが、刺激に対してストレスを感じることは少なかったでしょう。
それが、大人になり、社会に出てからの環境や人間関係の変化に伴って、ストレスとしてHSPの特性を感じるようになった、というケースがあり得ます。
世代によっては、日常にデジタル機器の光が増えたり、街中での音がスピーカーの進歩により昔より大きくなった、という物理的な原因もありそうです。
②HSPにあてはまる項目のうち一部だけに当てはまる場合
こちらは、本来はHSPさんではない方の場合です。
(もちろん、それでもあなたの辛さには変わりはありません。HSPさん向けの情報から、毎日が楽になる対処法を学ぶことは、とても有意義なことです。生きづらさを感じれば、カウンセリングを含め、どなたかに相談することをお勧めします。)
HSPを定義したアーロン博士は
【Depth of processing】深く考える
例)・お世辞や嘲笑をすぐに見抜く
・先の事を考えるため、物事に取り掛かるまでに時間がかかる 等々
【Overstimulation】刺激に敏感で疲れやすい
例)・人混みや大きな音が苦手
・人の些細な言葉に傷つき、いつまでもひきずってしまう 等々
【Empathy and emotional responsiveness】他人の気持ち共感しやすい
例)・他人が怒られていても、自分が怒られているように感じてしまい、傷つく
・他人のちょっとした仕草、目線、声などから気持ちを敏感に察知する 等々
【Sensitivity to subtleties】あらゆる感覚(身体的五感)が鋭い
例)・衣服が肌に触れる感覚すら我慢できないほど気になる
・家電製品や時計の音が気になってしまうほど聴覚が敏感 等々
の4項目すべてに当てはまるのがHSP、と定義づけをしています。
(詳しくはこちらのブログ記事へ)
しかしながら、HSPに関する情報があふれる中で、「刺激に敏感」「共感力が強い」などのどれか1つにあてはまり、ましてそれがストレスの原因となっているなら「私はHSP」と思って当然です。
当てはまる項目が2つ以上となれば尚更です。
書籍やネット上で情報を目にする機会が増えるにつれ、小さかった時には気にならなかったことが「当てはまる」と感じるようになることもあるでしょう。
もう一つ。
先程と同じ環境の変化です。
HSPさんではないけれども、やはり、大人になるにつれストレスにさらされる機会は増えるもの。
そして、日頃接する相手についても、小さい頃からお互いをよく知っている幼馴染や、気の合う者同士だけの付き合いでよかった学生時代から変化し、様々なタイプの方への対応を迫られます。
その中で、苦手な人、苦手な場所が出てくれば、「あれ?私ってHSPかも?」と感じる機会もあるかと思います。
この場合も、ストレスを感じている事には変わりはありません。
小さなストレスが知らないうちに重荷になり、心身に影響が出る前に、早めの対応をお勧めします。
まとめ
大人になってからHSPになる事はあるの?というテーマでお届けしました。
結論としては、
「HSPというのは生まれつきの気質だから、【大人になってからHSPになる】ということはない」
のですが、
「そのように感じることは充分にある」
ということでしたね。
繰り返しになりますが、ご自身にとって辛い状況が続いている場合は、早めの相談をお勧めします。
身近に相談できる人・場所があればそれでよいでしょうし、専門家に相談したい、という方はカウンセリングをお勧めします。
カウンセラーには守秘義務がありますので、秘密が漏れることはありません。
お気軽に、遠慮なくご相談下さいね。
「【HSP】大人になってからHSPになる事はあるの?」へのコメント
コメントはありません