【アダルトチルドレン・大人の愛着障害】相手に合わせてしまう習慣から抜け出す意外な方法とは?

アダルトチルドレン・大人の愛着障害の方は、いつも相手に合わせてしまいがちです。
例えば複数人で食事に出かけるとき、イタリアンにするか、中華にするか、和食がいいか・・・なんとなく人数の多いものが決まるのを待って、自分の希望とは違ってもそれに合わせてしまいます。

1対1の会話で、相手の主張が自分のものとは違った場合でも、うなずくなどして「自分もそう思う」というそぶりをみせ、「同じ意見ですよ」という合図を送ってしまいます。
(「パクチーってすごく美味しいよね~」、等と言われて、本当はとっても苦手なのに頷いてしまう場合がこれにあたります。・・・食べ物に関する事例ばかりですね。(^^;)

ご自身に、何かしらの意図があって合わせているなら問題はありません。
しかし、いつも無意識に、反射的に相手に合わせている場合は要注意です。
心の中に相当な負荷がかかっている上に、ご自身でも自分の心の悲鳴に気付いてすらいない可能性があるからです。

早めに対策をしないと危険です

この習慣は、早めに脱却しないと人間関係にひびが入るどころか、うつや心身症などの病気につながる事もあります。(好意で話を合わせていたつもりが、嘘つきだとか八方美人だという話になっってしまったり、その人間関係のこじれからストレス過多となり、うつや心身症になる方は少なくありません。)

アダルトチルドレン・大人の愛着障害の方はもちろん、そうでない方も、「自分にも当てはまってるかも!」という方は、どうぞ脱却方法を身につけて下さい。

この方法を身につけると、集団の中でも自然に振舞えることが出来、今までよりずっと生きやすくなりますよ。

では、その意外な解決法とは?

さて。
相手の主張に対して、反射的に同意してしまう。無意識に合わせてしまう。
そんな(おそらくは長年の)習慣を変えるにはどうすればいいのでしょうか?

「自分の意見を主張する練習をする」?
「話し上手になる」?

いいえ、違います。

それは、自分の感情を認める練習をする事です。



「・・・なんで感情なの???」
「相手に伝える練習じゃないの?」
「意外というよりよく分からない。。。」


そんなお声が聞こえてきそうです。

しかし、あなたが相手の意見に無意識に合わせている時の事を思い返してみて下さい。
なにかモヤッとした気持ちを抱えながらも、その気持ちを押しのけたり、見ないふりをしていませんか?

実は、それは危険の前触れです

・相手に合わせていないと嫌われてしまうに決まっている。
・違う意見を言ったら、もうその集団にはいられなくなるに決まっている。
・同意しないと、気まずくて次から合わせる顔がない。

そんな思い込みや恐怖から、自分の「意見」だけでなく、「感情」まで封印しているのです。

「なんだかモヤモヤするけど、忘れてしまおう」
「そんなに辛く思う程の事でもない」
「もう大人なんだから、これぐらいで悲しくなるなんてみっともない」

多くの方が、そんな風に自分に言い聞かせています。

まずは気づくことから

人によっては、そのことにすら気づいていない可能性もあります。
つまり、自分の感情に気付いていないパターンです。
その場合は、相手に合わせた後からでもいいので、「自分は本心ではどう感じていたのか」を、ゆっくり考える習慣をつけてみて下さい。

いつも損な役回りばかり引き受けているのに、なんでこんなに平気なんだろう?
あれ?さっきなんだか嫌な気持ちになっていなかった?

そう気づけたら、あなたは生きやすさに向けて、すでに一歩踏み出していますよ。

なぜ、自分の感情を認めることが解決策なのか

アダルトチルドレンや大人の愛着障害で悩む方の多くは、幼少期に自分の意見を頭ごなしに否定されたり、そもそも話を聞いてもらう事すらしてもらえなかった、という体験をしています。体験どころか、それが当たり前の日常だった、という方が殆どだと思います。

本来、人は幼い時に自分の話や意見に耳を傾けてもらい、共感してもらうことで、人への信頼を手にしたり、自分自身を肯定する力を身につけてゆきます。
(そして、自分自身を肯定することが出来て、初めて他人も肯定することができます。)

もちろん、その意見に同意してもらったり協力してもらえるかどうかは別の話です。
「明日の晩、天の川で泳ぎたい!」
「今日はお空の雲の上でお昼寝したい!」
と言われても、残念ながら無理な話です。(出来る事なら叶えてあげたいのですが。(^-^;)

それでも、
「そうだね、泳いでみたいねー。」
「いい考えだねー。雲の上のお昼寝は気持ちよさそうだね。」
共感してもらえれば、自分の意見、ひいては存在意義を認めてもらえた、という事につながるのです。

仮に、「○○君が悪いに決まってる!」

というような言いがかりに近いような意見でさえ、

「あなたは、そう思うんだね。」と一旦共感してもらったうえで、再考を促されるのと、最初から否定されるのとでは雲泥の差が生まれるでしょう。

アダルトチルドレン・大人の愛着障害の方が感情を封印する理由


しかし、アダルトチルドレン・大人の愛着で苦しむ方、無意識についつい相手に合わせてしまう方は、こういう体験があまりありません。

むしろ、
「何をバカなことを言っているの。」
「そんなこと無理に決まっているでしょう。」
「親を困らせるものではありません。」

そんな否定の言葉を投げられ続けられたのではないでしょうか?

親に頼って生きるしか選択肢がない時期に、何を言っても否定されるか怒られる。
間違って反対意見を述べようものなら、嫌われて家から追い出されるかもしれない・・・。
(小さい時は親の「出ていきなさい」という言葉も本気に受け取ってしまいます。)
そうでなくても、罵倒されたり、激しく傷つくような言葉を投げつけられる。

こうなると、生き延びるすべは2つしかありません。
・自分の意見を言わない
・親の意見にすべて合わせる

この状態が「平常」として育ってきたアダルトチルドレン・大人の愛着の方は、一種の生存戦略として、自分の意見をとっさに封印したり、あるいは感情にふたをしたりする癖を身につけてゆくのです。
自分の意見を全く持たなくなってしまう、というケースも多くみられます。
大人になってからも、とっさに相手に合わせてしまうのは、いわば当然の流れなのです。

しかし、ずっとこんな状態を続けるわけにはいきません

言わなければならない意見もあるでしょうし、なにより意見を封印していると「そんな意見を持つ自分が悪い」「こんなことで嫌な気持ちになってはいけない」など、感情までも封印してしまうからです。

自分の感情を封印する事ほど恐ろしいことはありません。
心や体が悲鳴をあげて、倒れてしまうまで、自分がいかに辛いか、対応しなければならないかに気付かないのですから。。。

そこで、「自分の感情を認める」という事が大切になってくるのです。

これには2つの効果があります。

① しっかり自分の感情を感じる事が出来るようになることで、自分の意見を相手に伝えることが出来る。
  それにより、自分に不利な状況から自分を守ることが出来る
 自分の感情に気づき、認めてあげることで、自己肯定感を育み直す事ができる

簡単に言うと、幼いときに出来なかった「自分を認めてもらう事」を自分でやり直す、ということです。

特に②の自己肯定感は、「相手に意見を言っても嫌われない」という自信や相手に対する信頼に直結します。
また、自分を認めることで相手を認められるようになりますので、意見の違う相手とも、上手に付き合うことが出来るようになってゆくのです。

具体例にはどうしたらいいの?

では、具体的にはどう練習したらよいのでしょう?

①まずはつぶやく

人との会話中に関わらず、何か「モヤッ」とした時、嫌だな、悲しいな、辛いなと感じた時に、

「嫌だよね。」
「辛いよね。」
「悲しいよね。」

と、そっと呟いてみて下さい。
それだけでも、充分な共感になります。

感情が無くなりつつある方は、(自分に不利すぎる条件を押し付けられたときなど)違和感を感じたときに、
「何かおかしくない?」
と言ってみて下さい。

②感情を許可する

次に、
「嫌になってもいいよ。」
「辛くっても当然だよ。」
「悲しんでもいいよ。」
「おかしいと思っていいよ。」
と、その感情を持ってもいいんだよ、という事を声に出して自分に伝えて下さい。

もちろん、負の感情だけでなく、嬉しい感情で同じことをして頂いても大丈夫です。

お日様に当たって、「ポカポカして気持ちがいいよね~。」
休日の2度寝に「あ~、幸せ~!」

そんなことで構いません。
自分の気持ちをどんどん声に出してみて下さい。

③感情の奥にあるものを探る

そして、それに慣れてきたら、その感情の奥にあるものを探ってみて下さい。

「一体なぜ、嫌だと感じたのか。」
「何をどう辛く感じたのか。」
「何が嬉しかったのか。」
「どうして幸せだと感じたのか。」

ちょっと難しいかもしれませんが、5分ほどでもいいので、静かな空間で紙に書き出してみると、自分の感じている事、思っている事の姿が分かってきます。
スマホやパソコンだと手軽ですが、手で書く速さの方が、じっくり考える速さと相性が良いので、手書きをお勧めします。

難しい、と思われるかもしれませんが、続けていくうちに、自分の感情を素直に表現出来たり、自分を認めることが出来るようになるので、相手に対して自分の意見も言えるようになりますよ。
毎日は難しくても、思い立った時に気軽に何度でもチャレンジして下さいね。

そのうち、相手の意見に同意出来ない時も、すぐに反論しなければない事に気付くはずです。

「もうちょっと考えさせて」
「あとでゆっくり返事をさせて」

と言えば済む場合もありますし、実際その一言が言えるようになることで、嫌な事を我慢することはぐっと減ってゆきます。

まとめ

アダルトチルドレン・大人の愛着の方が、無意識に相手に合わせてしまう事から脱却するためには

「自分の感情を認める」練習をするのがよい

という話でした。
その方法は、

① 感情や違和感に気づいた時、「嫌だよね。」などと共感の言葉をつぶやく
② 「嫌になってもいいよ。」など、自分の感情を認めてあげる
③ 「何故、嫌だと感じたのか。」など、感情の奥にあるものを探る

の3つでしたね。

ご自身で練習してみてうまくいかない、1人でやってみるのは不安、という方は、どうぞお気軽にご相談下さいね。

長い記事でしたが、最後まで読んで頂き、ありがとうございました。